Research

Under Construction . . .

(1)橋梁構造物の地震時非線形応答を考慮した要求性能の設定法
橋梁構造物の耐震設計では弾性地震力を荷重低減係数で除して橋脚の弾塑性系地震力を求めるじん性設計が導入されている。荷重低減係数は地震時に構造物に生じる塑性変形の関数として定義させるため,地震動の位相特性や地盤種別による変動が大きい。本研究では,荷重低減係数の周期依存性,地盤種別依存性,減衰定数が荷重低減係数に及ぼす影響について検討を行い,地震動毎のばらつきを考慮した荷重低減係数の推定式の提案を行っている。また、地震後の性能を規定する残留変位について断層近傍で発生する地震動を対象に検討を行った。

(2)隣接桁間の衝突による橋梁構造物の非線形応答に関する研究
斜橋では,桁が橋台や隣接する桁に衝突することにより,桁が回転して直線橋に比べて落橋しやすくなるという特異な振動特性を有することが知られている。このような被害は,2010年チリ地震でも報告されている。斜橋の落橋を防止するためには,地震動によって支承が損傷しても,桁の回転を抑制することが重要である。本研究では,弾性棒部材の衝突に関する再現解析を行い,解析に用いる衝突ばね要素の構成則について提案を行うとともに,1995年兵庫県南部地震で落橋した斜橋を例に,非線形地震応答解析を行い,ケーブル式桁間連結型落橋防止構造の桁の回転抑制効果について検討を行った。

(3)RC構造部材の変形性能に関する実験的検討
RC橋脚の耐震性能の向上を目標に,動的載荷装置を用いて,RC橋脚の水平2方向載荷実験とハイブリッド実験,高強度材料を用いたRC橋脚の載荷実験等の載荷実験を行い,耐力および変形性能に関する研究を行ってきた。また,解析時に使用する横拘束筋によるコンクリートの横拘束効果を考慮した応力ひずみ関係を開発し,ファイバー要素を用いた解析により変形性能に関する解析的な検討も行っている.

(4)E-Defense橋梁耐震実験に関する事前検討
E-Defense橋梁耐震実験に関する事前検討とは,実大三次元震動破壊実験施設(E-Defense)を用いた橋梁の耐震実験のために行った実大模型の設計,事前解析等の総称である。ここでは,E-Defenseを用いて橋梁の加震実験を行う際に,加震に用いる地震動としてどのような地震動を作用させたらよいかを検討した。
基礎構造―周辺地盤間の動的相互作用効果により,実際に構造物に作用する地震動は,構造物の影響を受けない地表面上で観測される地震動とは異なることが知られている。実大三次元震動破壊実験施設であるE-Defenseであっても,その影響は加震時制御信号(入力地震動)として考慮する必要がある。E-Defense橋梁耐震実験では,上部構造-RC橋脚-基礎構造-周辺地盤系からなる有限要素モデルを用いて,動的相互作用を考慮した非線形動的解析を行い,動的相互作用効果によって基礎構造物に作用する地震動としてどの程度の地震動が作用するかを,定量的に評価し,加震時制御信号の目安を作成した。